第33回日本腰痛学会(The 33rd Annual Meeting of the Japanese Society for the study of Low Back Pain)

会期:2025年10月10日(金)・11日(土) 会場:富山国際会議場 会長:川口 善治(富山大学医学部整形外科学講座 教授 富山大学付属病院痛みセンター長)

会長挨拶

第33回日本腰痛学会の開催にあたって

会長

第33回日本腰痛学会
会長 川口 善治
富山大学医学部整形外科学講座 教授
富山大学附属病院痛みセンター長

第33回日本腰痛学会を、ここ富山の地にて開催させていただく運びとなりました。「燦燦(さんさん)と輝く33 回目」の記念すべき学会において、会長を務めさせていただきます富山大学整形外科の川口善治です。北陸の雄大な自然と伝統文化、日本海の海の幸、北アルプスの山の幸に恵まれた富山で、全国の先生方をお迎えできますことを、心より嬉しく思っております。

今年のテーマは「腰痛診療の現在、過去、未来」です。腰痛はまさに“国民病”とも言える存在で、昔から「腰が痛い」と言えば年のせい、「レントゲンで異常がない」と言えば気のせいと、ないがしろにされがちでした。しかし今日では、構造的な問題だけでなく、神経科学、心理社会的要因、運動機能や生活背景に至るまで、腰痛の本質に迫る多角的なアプローチが求められる時代となっています。

未来の腰痛診療は、さらに進化していきます。AI が画像を読み解き、リスクを予測し、再生医療で椎間板がよみがえる――まさにSFのような話が現実に近づきつつあります。遠隔診療では、腰痛患者が自宅のソファでストレッチ指導を受け、ロボティック手術では、執刀医が「腰にやさしい」動作で最小侵襲を実現する――そんな未来も、もはや夢物語ではありません。

また、予防の視点もますます重要になります。小児期の姿勢教育、産後のケア、そして高齢者のフレイル・サルコペニア対策に至るまで、腰は人生100 年時代を支える「要(かなめ)」です。腰がダメになると、人生も立ち行かなくなる……だからこそ、“腰”を中心に据えた医療が、今後ますます大切になるのです。

今回の学会は地方開催ですので、まさに“腰を据えて”診療の本質と将来像について語り合うまたとない機会です。富山の秋の空気とともに、じっくりと実り多い議論を深めていただければ幸いです。ついでに「腰にやさしい」富山湾の海の幸も、ぜひご堪能ください。

最後になりますが、本学会の開催にあたりご尽力いただいたすべての皆様に深く感謝申し上げます。本学会が、参加された皆様にとって刺激的で、そして少しだけ“楽しい”学びの場となりますことを祈念いたしまして、開会のご挨拶とさせていただきます。